今、いちばん大切なものは何ですか?
唐突ですが、そう聞かれたら、あなたは何と答えますか。家族、恋人、車、お金…幸せや豊かさなど、それぞれに守りたいものが何かしら思い浮かぶのではないでしょうか。
日本に暮らす私たちには、とくにここ数年、価値観を揺るがすような、さまざまなできごとが起こりました。その最たるものは3.11の震災といえるでしょう。地震と津波、そして原発事故を境にして、いのちの尊厳、エネルギーの問題や国のあり方、いろいろな変化が、目に見えるところで、または見えづらいところでも現在進行形で起こり続けているように感じます。
そして9月19日、安保関連法案が可決してから1年が経ちました。政治面でも、憲法改正の是非を問いかける問題が私たちの国のビッグイシューになってきているといっても過言ではありません。
意見は人それぞれあって当然ですが、大事なのは、それらのできごとが自分自身の「大切なもの」を脅かす可能性を秘めている、と気づくこと。そして、ひとりひとりが自分の問題としてそれについて考え、向き合ってみること。
日本における政治への関心の薄さに危機感を抱いて、意識的にそう呼びかける人たちも増えてきました。その中のひとりに、ライフワークである「写真」を通して、憲法9条の意味や平和について問いかける女性がいます。
写真集『9 憲法第9条』の出版をクラウドファンディングによって実現した、フォトグラファーの亀山ののこさんです。
今回は、亀山さんが『9 憲法第9条』をクラウドファンディングによってなぜ出版しようと思ったのか、資金を得たことでプロジェクトにどのような反響や変化があったのか、「クラウドファンディングのその後」をお伝えします。 (さらに…)