(写真提供:阿野太一)
特集「あしたの郊外」は、茨城県取手市で行われている「取手アートプロジェクト」との共同企画です。アーティストによる自由な「暮らし方の提案」を元に、郊外の可能性を探っていきます。
みなさんは住んでいる場所に、お気に入りの景色や時間はありますか? 近所の公園、夕暮れ時に川から見る景色、桜の咲く並木道、隣の家の人と何気ないおしゃべりをする時間。きっといつもの暮らしの中で、自然に大切にしている風景があるかもしれませんね。
そんな住む人の場所への記憶を壁画にした作品がある、と聞いて今回訪ねたのは、茨城県取手市の関東鉄道常総線戸頭駅。都心からつくばエクスプレスを使うと、1時間ほどでたどり着くことができます。駅に降り立つと、ホームの目の前に堂々と現れる真っ白な建物。それが戸頭団地の一棟です。
少し近づいて、向かって左側から建物を見てみると、そこにはたくさんのカラフルな扉や梯子が!
さらに団地の中へと歩を進めてみると、赤と黄色の箱を積み上げて壁をよじ昇る、サラリーマン風の2人組も。暖簾があるのは飲み屋さんでしょうか。
これらが、「取手アートプロジェクト(以下、TAP)」が取り組む「アートのある団地」の一環として始まったプロジェクト、「IN MY GARDEN」の作品たち。このように、8棟の建物の壁をまるごとアート作品として生まれ変わらせたのです。 (さらに…)