「わたしたちエネルギー」は、これまで“他人ごと”だった「再生可能エネルギー」を、みんなの“じぶんごと”にするプロジェクト。経済産業省資源エネルギー庁GREEN POWER プロジェクトの一環で進めています。エネルギーを減らしたりつくったりすることで生まれる幸せが広がって、「再生可能エネルギー」がみんなの“文化”になることを目指しています。
はしがき
エネルギー分野には、はっきりしたテーマがたくさんあります。
例えば経済。エネルギーは経済発展に貢献しました。電力や交通などのエネルギーは火力やガソリンから得られ、石炭や石油などを燃料にしました。それらは化石燃料と呼ばれ、生物が地中に溜まり、長い年月をかけてつくられます。
経済発展は化石燃料ができるスピードよりも早く、代わりの燃料が必要とされました。それがウラン、原子力です。
しかし、原子力の使用後の燃料は地球に返せない廃棄物になります。そこで風や太陽光などの自然エネルギーに注目が集まりました。
自然エネルギーは燃料がほぼ尽きません。ただし、火力や原子力よりも同じ面積あたりで生み出せるエネルギー量が減ります。仮にこれまでの経済を保つだけのエネルギー量を生む施設数を設けると、景観は変わります。
例えば巨大な風車は影をつくります。羽に巻き込まれた鳥が死ぬこともあります。ソーラーパネル一面の土地は個人の目にどう映るでしょうか。
このように経済というテーマにざっくり注目しただけでも、エネルギーの一長一短がわかります。何を好み、どれを嫌うかは個人の価値観に寄ります。
だから今は選択する時代です。どんな経済を選び、何をエネルギー源とするのか。それは個人個人が自身でライフスタイル(生活と仕事の様式)を決めることでもあります。
7月22日、ぼくは北海道下川町に行きました。一軒家でエネルギー自給生活を送る普久原涼太さんの取材です。普久原さんは24年かけて、自分が必要な電力・食料・交通というエネルギーの一部を自給する今の生活を手にしました。
この記事を通して、普久原さんが求めた暮らしを覗き、あなたのライフスタイルについて考えてみませんか? (さらに…)