世界最大の広告・コミュニケーションの祭典、「カンヌ・クリエイティビティ・フェスティバル」。「Cannes Lions 2015」では2015年の受賞作の中から、新たなアクションを考える刺激になるような、ソーシャルグッドな広告を連載で紹介していきます。今回ご紹介するのは、中国での事例です。
毎年20万人もの子どもたちが行方不明になっていると言われる中国。(出典元)多くの親たちは子どもたちを必死に探すものの、残念ながらほとんどの子どもは見つからないままになっています。
問題の背景にあるのは、農村の貧困と社会保障制度の不備。農村には、貯蓄が少なく年金もわずかで、老後の生活を子どもに頼らざるを得ない人たちがいます。行方不明になる子どもの多くは、そうした貧しい農村の人たちに売られるために誘拐された子どもたちなのです。
親たちが努力しているにもかかわらず、なかなか見つからない子どもたち。その原因の一つとして指摘されているのが、情報が共有されていないこと。たくさんの子どもたちが失踪しているという事実を訴え、かつ行方不明になっている子どもたちの情報を発信する拠点がなかったのです。
少しでも多くの子どもたちを保護して助け出したい。そんな思いを抱く市民団体「Baobeihuijia」が打ち出したキャンペーンは、日本でも多くの人々が使うスマートフォンを用いたものでした。 (さらに…)