世界最大の広告・コミュニケーションの祭典、「カンヌ・クリエイティビティ・フェスティバル」。「Cannes Lions 2016」では2016年の受賞作の中から、新たなアクションを考える刺激になるような、ソーシャルグッドな広告を連載で紹介していきます。今回ご紹介するのは、ブラジルからの事例です。
昔はこの集落も人がいっぱいいて、お祭りのときなんかは賑やかだったもんだ。
戦争のときは空襲で、この家の前はすっかり焼け野原になってしまった。
お年寄りと話をしていると、いまの私たちが経験できないようなドラマに出会い、ハッとさせられることがあります。
歴史に残るような偉人を通して過去を知ることも大切ですが、名もなき庶民が見て、聞いて、体験したことから学べることも、きっと多いはずです。しかし、文字を書くことができない人たちは、自らの経験や思い出を書き残すことができません。
ブラジルには読み書きができない人が、およそ1300万人いると言われています。(参照元)自然に抱かれるように暮らす先住民や、人種の坩堝のような大都市まで。多様な文化をもつ人々の記憶は、人知れず失われていく運命にありました。 (さらに…)